J1リーグでは毎年、シーズン終了時の順位に応じて、J2へ降格仕組みがあります。
優勝争いはもちろん、同等くらいに盛り上がるのが、「残留をかけた戦い」です。
「自分の推しのチームは、最低でもあとどれくらいの勝ち点を積む必要があるのか!?」
「奇跡的な残留劇や降格実例は過去にあったのか?」
このようなことを気にかけたことがある人は多いのではないでしょうか。
・J1の降格条件がわからない
・J2降格を避けるには何勝すればいい?
・どのチームが巻き返して残留したの?
Contents
J1リーグのしくみとJ1残留の条件
試合方式と勝ち点
現在、J1リーグは全20クラブで構成されています。
(2024年から20クラブに変更、2023年までは18クラブ)
そして、各クラブがホームとアウェイで2回ずつ試合をする「ホーム&アウェイ方式による総当たりリーグ戦」で行われています。
Jリーグでは、試合ごとに勝ち点が与えられます。
勝利:勝ち点3
引き分け:勝ち点1
敗戦:勝ち点0
がそれぞれ与えられ、シーズン全体の総勝ち点数で順位が決定します。(勝ち点が並んだ場合には得失点差により順位が確定します)
降格と残留
2025年シーズンは、J1の年間順位の下位3クラブが自動的にJ2降格となっています。
そしてJ2における年間順位上位2クラブ、およびJ2における年間順位3位から6位のJ2クラブが参加するJ1昇格プレーオフに優勝したJ2クラブがJ1に昇格し、クラブが入れ替わる仕組みになっています。
J1残留に必要な勝ち点は何点?
残留に必要な勝ち点の目安
直近約15年の統計として平均値・中央値ともに36前後であり、勝ち点36点くらいが残留ボーダーになります。
J1リーグのの仕組みにて前述した通り、現在の20クラブ制になって3年目のため、あくまでも参考値となります。
一方で、試合数+α=残留必要勝ち点とされており、34試合+αつまり勝ち点34~38が目安となるため、勝ち点36付近で運命分かれることとなります。
しかし、2018年の柏レイソルは勝ち点39でありながら降格しており、シーズンによってばらつきはあります。
過去の降格チームの勝ち点は?
J1リーグ 過去10年の降格クラブと勝ち点一覧(2015〜2024年)
シーズン | 降格クラブ(順位) | 勝ち点 |
---|---|---|
2015年 | 松本山雅FC(16位) | 27 |
清水エスパルス(17位) | 25 | |
モンテディオ山形(18位) | 24 | |
2016年 | 名古屋グランパス(16位) | 30 |
湘南ベルマーレ(17位) | 27 | |
アビスパ福岡(18位) | 19 | |
2017年 | ヴァンフォーレ甲府(16位) | 32 |
アルビレックス新潟(17位) | 28 | |
大宮アルディージャ(18位) | 25 | |
2018年 | 柏レイソル(17位) | 39 |
V・ファーレン長崎(18位) | 30 | |
2019年 | 松本山雅FC(17位) | 31 |
ジュビロ磐田(18位) | 31 | |
2020年 | 降格なし | – |
2021年 | 大分トリニータ(17位) | 36 |
徳島ヴォルティス(18位) | 36 | |
ベガルタ仙台(19位) | 27 | |
横浜FC(20位) | 27 | |
2022年 | 清水エスパルス(17位) | 33 |
ジュビロ磐田(18位) | 30 | |
2023年 | 横浜FC(18位) | 29 |
2024年 | ジュビロ磐田(18位) | 38 |
北海道コンサドーレ札幌(19位) | 37 | |
サガン鳥栖(20位) | 35 |
※2016年から16位はJ1参入プレーオフへ参加
※2020年はコロナ渦により降格なくJ2からの昇格のみ、2021年はチーム編成を元に戻すために4クラブ降格
※2024年よりクラブ数20への変更に伴い、1クラブのみの降格
【悲劇】後半戦の失速でJ2降格…
2016年 名古屋グランパス:前半戦中位からの降格
2016年の名古屋グランパスは、Jリーグ創設以来初めてJ2降格を経験したシーズンでした。
前半戦を中位で折り返しながらも、後半戦での大失速が致命的となりました。以下に、その詳細をまとめます。
最終順位:16位(J2降格)
年間勝ち点:30(7勝9分18敗)
得失点差:-20(得点38、失点58)
前半戦:7勝3分7敗(勝ち点24)
後半戦:0勝6分11敗(勝ち点6)
前半戦は勝ち点24を獲得し、順位も中位を維持していました。しかし、後半戦では未勝利が続き、特に第6節から第16節までの11試合で6分5敗と勝ち星を挙げられず、順位を大きく落としました。
最終節では湘南ベルマーレと対戦し、1-3で敗戦。この結果、勝ち点30で並んでいたアルビレックス新潟に得失点差で及ばず、16位となり降格が決定しました。
【劇的】奇跡の巻き返しで残留した実例
2018年 名古屋グランパス:前半戦勝ち点10からの奇跡の残留
2018年シーズン、名古屋グランパスは前半戦(第17節終了時点)で勝ち点10と低迷し、最下位に位置していました。
しかし、後半戦に入るとチームは驚異的な巻き返しを見せ、最終的に勝ち点41で15位となり、J1残留を果たしました。
最終順位:15位(J1残留)
年間勝ち点:41(12勝5分17敗)
得失点差:-7(得点52、失点59)
前半戦:2勝4分11敗(勝ち点10)
後半戦:10勝1分6敗(勝ち点31)
特に、最終節では湘南ベルマーレとの直接対決で2点ビハインドから同点に追いつき、引き分けに持ち込む粘り強さを見せました。
この結果、得失点差でジュビロ磐田を上回り、残留を決定づけました。
勝ち点10からの残留は極めて稀
J1リーグにおいて、前半戦で勝ち点10からの残留を果たしたクラブは、2017年のサンフレッチェ広島と2018年の名古屋グランパスの2例のみです。
これらの事例は、前半戦での低迷からでも、後半戦での劇的な巻き返しにより残留が可能であることを示していますが、その道のりは非常に困難であることも示しています。
来季への展望
2026年よりJリーグはシーズンを移行し、開幕を現行の2月から8月に変更されます。その背景には、欧州リーグや国際大会の日程に合わせることがあります。
シーズン移行に伴い、2025年シーズン終了後、2026年前半に0.5シーズンの大会が行われます。この大会はJ1の20クラブと、J2・J3の40クラブと分かれて行われ、昇格・降格ありません。
そのため、2025シーズンの昇格・降格結果が1.5年間継続されます
シーズン以降の意味からも、今シーズンの昇格・降格の重みは大きく、入れ替えをかけたドラマは見ごたえのあるものになるになると思われます!!
まとめ
J1残留ラインの目安は勝ち点36(おおよそ35~38)
これからリーグが終盤に差し掛かっていくにつれて、
「あと〇点で残留確定」
「このクラブが負けた場合、このクラブ勝てば残留確定」
といった話題がどんどん増えていきます。
この記事を通して、勝ち点1や、1勝の重みをより感じることができたのではないでしょうか!